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人との良い距離感

人と人との距離感には二つの種類があります。
一つは物理的な距離感、もう一つは心理的な距離感です。
ここでは、心理的距離感について考えます。
人間は、矛盾した二つの願望を持っています。
「一人だと寂しい」「誰かと一緒にいたい」「助けて欲しい」という依存願望と
「一人は気楽でいい」「他人は煩わしい」「お節介はお断り」という自立願望です。
人は、この両方を満たそうとして他人と「適度な距離」を保とうとします。

自分にとって「適度な距離」とは、自分にとって「心地よい距離」です。
ここで厄介なのは、自分にとっての「心地よい距離」と相手にとっての
それが必ずしも一致しないことです。
このズレを上手く調整する人を、世間では如才ない人(対人関係をそつなく熟す人)
と呼んでいます。

如才ない人の振る舞いは、友人から飲み会に誘われたとき、「参加しない」と
心の中で思ったものの、同時に「断ると悪い・・・しょうがない・・・
参加する・・・」と考えたとします。心に従うか。頭に従うか。

こんなとき、いつもゼロ(参加しない)、いつも百(参加する)は得策ではない。
二回に一回ぐらい参加する、体調や家族の事情などを理由にして早めに退出する。
そういう中間的な引き受け方をするのが気の利いたやり方になります。
悪意のない適切な嘘は知性の表れであり、心の健康を保つことにも役立ちます。

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