子どもの使い
「子どもの使い」という慣用句があります。
要領を得ない使い、あまり役に立たない使いを意味します。 たとえば、上司が部下を非難するときに「子供の使いじゃあるまいし。
留守だと言われて、はいそうですかと帰ってきてどうするんだ」というように用いられます。
ところで、子どもの時のお手伝い経験(掃除、洗濯、買い物、調理、後片付けなど)が
仕事をする力を育てるという話をよく聞きます。
ある企業での話です。大学卒の新人社員が配属されて数ケ月後、配属先の管理職から
クレームが上がってきたそうです。
今年の新入社員は「気が利かない」「段取りが悪い」「口ばかりで動かない」・・・
要するに使い物にならないということです。
困惑した人事部では改めて社内調査を実施し、「使える人材」と「使えない人材」を
分けるポイントを探りました。そして分かったのは、 「使える」と言われた新人は子どもの頃に親の手伝いをした経験があり、 「使えない」と言われた新人は手伝いをしたことがない、という事実でした。 「小さい頃のお手伝いの経験」が仕事の質を左右していたのです。
お手伝いの経験と仕事力は、どう結びつくのか。
お手伝いというのは、親から家庭内の仕事の一部を指示されて任されます。 その過程で、コミュニケーションする力、段取りする力、計画する力、問題解決する力、 最後までやり遂げる力などが自然と身についていくのです。