2022年12月1日 木曜日 14:47:27
寓話から
今回は、「天国と地獄の長い箸」という寓話からです。
地獄の食堂も極楽の食堂も満員だった。向かい合って座っているテーブルの上には、おいしそうなご馳走がたくさん並んでいる。地獄の食堂も極楽の食堂も決まりがあった。それは、たいへん長い箸で食事をしなければならないということだった。
地獄の食堂では、みんな一生懸命に食べようとするのだが、あまり箸が長いので、どうしても自分の口の中に食べものが入らない。食べたいのに食べられない。おまけに、長い箸の先が隣の人を突いてしまう。食堂のいたるところでケンカが起きていた。
極楽の食堂では、みんなが穏やかな顔で食事を楽しんでいた。よく見ると、みんなが向かいの人の口へと食べものを運んでいた。こっち側に座っている人が向こう側に座っている人に食べさせてあげ、こっち側に座っている人は向かい側の人から食べさせてもらっていた。
この寓話から、みなさんは何を連想するだろうか。
社会問題の多くは奪い合いから生じています。人と人、部族と部族、国と国が何らかの資源をめぐり奪い合いを起こしています。奪い合いの根底には「自分さえよければいい」、「自分の国さえよければいい」という考えが潜んでいます。その世界を見渡すと、「自分の国さえよければいい」と言わんばかりに、そういう政策を推し進めようとする指導者が如何に多いことか。